一足お先の夏景色 '00初夏
〜 20年目のSRで駆けた北海道ツーリング日記 〜

・2000年7月10日 6日目 江戸前な天気でどピーカン

 キャンプ場の目を走る大型車のロードノイズで目が覚める(苦笑)。目覚めた当初は曇り空。“どよ〜ん”とした感じで出発準備&撤収をしていると、みるみるうちに晴れてきた。

 一発目は“麓郷の森”へ。道沿いに流れていく景色を見ていると、ドラマの“北の国から”のテーマソングをつい口ずさんでしまう(大爆笑)。

 まだ9時を過ぎたばかりだというのに“麓郷の森”は観光バスでごったがえしていて、げんなり(苦笑)。ここは6年前にも来たことがあるからとパス。“麓郷展望台”へ向かう。

鳥沼キャンプ場から麓郷へ至る道
牧草ロールの向こうに菜の花が見える

 走っていくと展望台入口になぜか“アンパンマン”のお店が(笑)。やなせたかしと麓郷(富良野)の関係が理解できないまま、展望台へのダートを登っていく(爆笑)。

 この付近はドラマ“北の国から '92 巣立ち”でも使われたらしい。このドラマ、マジメに見たことがないので(大爆笑)、「あぁ、そういやここは...」とは思わないが、絶景の中を「最高っす」といいながら走っていく(笑)。

 展望台まで上がると、筆舌に尽くしがたい景色が広がっていた。緑の丘の向こうに見える青く連なる山脈、立ち尽くす自分を包み込むように柔らかな風が通り抜けていく。

 この場へ先乗りしていたXR600Rのにーちゃんと「最高っすね」とコトバを交わし(笑)、道道253から南富良野方面へ。

 ホントは道道253の途中から分かれた先にあるらしいダートを通ろうかとも思っていたのだが、分岐を見逃したらしく「まぁ、いいか」とそのまま道道をのんびりと走り、国道38に出て東へ向かう。

麓郷展望台から富良野方面を見る
ラベンダーの紫、木々の緑、空と山の青さが魅了する
丘を吹き抜ける風が心地よい

 さすがに二桁国道ともなると往来も増え、すれ違うバイクも多い。ピースサインを出しまくってたら、ふと対向車線を走ってくる小さなオープンカー。ホンダのビートだ。お、なんかピースサインを出してるぞ(笑)。おぉ、リヤの純正キャリアに荷物てんこもり積んでやがる(大爆笑)。確かにありゃ、積載性はバイク並みだもんなぁ(抱腹絶倒)。

 絶好の天気の下、いろんなイベント発生でツーリング気分はさらに盛り上がる。

 南富良野で映画“鉄道員(ぽっぽや)”の舞台となった幾寅の駅を映画を見ていないのに訪れて(爆笑)、そういや実家の昔の駅もこんなんだったよな〜、などと思いながら狩勝峠を越える。

 また帯広だ(苦笑)、と思いながら道道75に入り、道沿いにある“しみず温泉”へ。露天風呂から見渡す十勝平野に「うぅ〜、お気楽自堕落。最高じゃ〜」などと意味不明状態で脱力しきったまま、根っこを生やしてふやける(爆笑)。

この日から配り始めた、通称“ホクレン旗”
6年前に訪れたときは既になくなっててもらえず
“そうそう、コレがほしかったの”by 笹緑茶

 ふやけたのーみそのまま、ほとんどカーブのない道道75を帯広方面へ走る。さすがに道道ともなるとすれ違うバイクもないな〜、などと思ってたら輪行の自転車が。ピースサインを送ると日焼けした笑顔が返ってきた。いいなぁ、楽しんでるな〜(笑)。

 帯広市内で道道から再び国道38に戻り、幕別のホクレンで給油。ついに“ホクレン旗”をげっと(歓喜)。このホクレン旗、“セーフティ・サマー・北海道”キャンペーン期間中にホクレンのガソリンスタンドで給油したライダーに配られる旗で、この旗欲しさに毎年北海道を訪れるものもいるとか(笑)。

 6年前の渡道の際は、8月末から9月アタマと遅かったこともあって、既になくなっていてもらえなかったのだ(苦笑)。

 だから自分にとっても念願の一品(笑)。もらったときは爽やかに「あ、どーもー」などといいながらも、アタマの中は笹緑茶のCMのパンダが「そうそう、コレが欲しかったの」と転げ回る状態(抱腹絶倒)。あのパンダのように転げ回りたい衝動にすら駆られたが(爆死)、さすがに人前ではそれはできず(炸裂)、ホクレン旗を後ろの荷物にぶっさして、一路浦幌方面へ走り始める。

川沿いにまっすぐ延びる道と青い空
十勝川沿いの堤防上にて

 しばらく国道沿いを走っていたのだが、単調な道に飽きてくる(笑)。なにか変化をカラダが求めてくる。別に林道“を”走りたいというワケではないので、念のため(爆死)。このまま走ってると、またハルニレに行っちゃうかな〜などと思いながら、ふと左手を見ると十勝川が流れている。もしかしたら...という感覚とムズムズとした衝動がわき起こる。

 国道からそれて、堤防に向かって走る。カラダ中のムズムズとした衝動が確信に変わる。堤防を上がったそこは ... ただ緑と青の広い空間。全身の毛穴が開き、吹き抜ける風を捕まえようとする感覚。感嘆の声すら邪魔なものとなる風景に、ただ動けなくなるだけだった。

 十勝川沿いにしばらく走った後、そのまま道道911に入り、長節湖へ向かう。

 いよいよ明日で最終日。最後はどうまわろうか考えたが、やっぱりえりも岬をまわって行こうと思い、今日の宿はそちら方面へも都合のいいセキレイ館に“また”決めた(爆笑)。

長節湖の砂浜で掘れたシジミ(笑)
普通のシジミよりでかく、アサリ並み(爆笑)
持ち帰るのは密漁になるのでやめましょう

 道道911を走っていくと大津の集落。港を横目に調子よく交差点に突っ込んでいったら、浮き砂にすくわれてフロントがすべる。「ひぇえ〜っ」と反射的に地面を一蹴りしてなんとか体勢を立て直したものの(爆笑)、久々なことに心臓はバクバク状態。アスファルト路面でこけそうになって地面をけったくったって何年ぶりのことやら(炸裂)。

 そんなこんなで長節湖(笑)。先日行った湧洞湖の原生花園もよかったが、こちらの原生花園も花盛り。湖の方に目を向けると、中に入っている人や砂浜で何かを取っている人がいる。

 なんじゃらほいと砂浜をじぃっと見てると、ぷくぷくと気泡がでている。「?」とそのへんを指で掘ってみると出てきたのはアサリかと思うほどの大きさのシジミ(爆笑)。このままテイクアウト(炸裂)すると密漁行為になるなのでまた湖に戻したが、ここでシジミに会うとは思わなんだ(笑)。

長節湖の原生花園
湖面から水蒸気が立ち上り、陽光に水面と花が輝く

 長節湖から一週間ぶりの国道336へ(爆笑)。日も傾き、調子よく国道を走っていると、国道沿いの原野に白い鳥らしきモノがいるのを視界の隅で発見。 「いたっ、タンチョウヅルだ〜っ!」と急制動(大爆笑)。先日のセキレイ館出発前にこの付近にいるのは聞いていたけど、この目で見られるとは思っていなかったので感激(笑)。

 しばらくツルを見ていると、餌をついばみながらこちらへ寄ってくる。カメラを出して3倍ズームの限界に歯ぎしりしながら(炸裂)、もっと寄ってくるよう願う。10mちょっとくらいまで寄ってきたろうか。そこでプイと方向転換(苦笑)。時計を見たらいい時間だったのでこちらもそこを離れたが、その間、気づかずに通り過ぎてしまうクルマやバイクをもったいないな〜、と見送った。

 一路、セキレイ館へ。もっと早く着く予定だったのだが、シジミとツルにハマったので(笑)、着いたのは晩成温泉ツアーへの出発ぎりぎりの時間だった(苦笑)。

国道336沿いの原野で見かけたタンチョウヅル
実際の写真は小さかったので
取り込んだ際に拡大しました(笑)

 本日の同宿は自分を含めて3名。だが、先日、自分がここに泊まったときには客だった女の子が“いつの間にかヘルパー”になっていたりして(爆笑)、その子が安田成美の唄っていた“風の谷のナウシカ”のテーマになぜかハマっていて、その曲をリピートかけたりするもんだから、「明日、のーみその中で走っている間にかかんなきゃいいな〜」などと思いながら、最後の夜も更けていったのである(大爆笑)。

#6日目終了km:23,902km(本日の走行距離:249km)


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