一足お先の夏景色 '00初夏
〜 20年目のSRで駆けた北海道ツーリング日記 〜

・2000年7月9日 5日目 台風の影響ほとんどなく晴れ

 珍しく朝7時前に目が覚める。風は吹いているが雨は落ちていない。地面も乾いており、この辺で雨が降った形跡はほとんどないようだ。テレビをつけて台風情報。なんとか上陸せずに済んだようだ。が、テレビで見てると釧路方面は大荒れ(苦笑)。ほとんど降った形跡のないこちらからするとウソのようである。

 朝食を済ませ、出発の準備をしていたら青空が広がってくる。9時半に出発しようと思っていたが、なんだかんだしてたら出発したのは10時過ぎ(笑)。とりあえずまずは今日も和寒でモトクロス観戦だ。

出発前の記念撮影(笑)
カンバンを持つ左から2番目がワタクシ
右端が“夕休”の宿主さん

 というわけで、会場についたのは10時半もまわった頃(苦笑)。すでに国際A級(以下、IA)125ccクラスの第1ヒートは終わっていた(笑)。と、観戦に来ていた東京の知り合いと遭遇。「なんかずいぶん暑苦しいカッコしてるなぁ」と、言われた(爆笑)。ちなみにそのときはゴアジャケ着用中。確かに暑苦しい(大爆笑)。続いてIA250ccの第1ヒート。今回はアメリカ帰りのYAMAHA YZ250を駆る小池田選手がブッチギリの速さだが、4サイクルMXerのYAMAHA YZ426Fも上位につける。パワーもYZ426Fが一番出ているような感じで、ビッグジャンプを一番高く、遠くまで飛んでクリアしていく。レース会場でしか味わえないこの雰囲気。たとえツーリング先の時間を割いても、レースを見に来てよかったと思った。

 お昼休み、パドックを散策。メーカーのブースでライダーからサインをもらったり(笑)、ショップの出店を冷やかしたり。そういえば、なぜかモトクロスの出店なのにロードレースのC.サロンの革ツナギが展示されていて、思わずクギづけになったりもした(大爆笑)。

 午後2時くらいには出発しようと思ってたのだが、IA125cc第2ヒートのスタートまで見てたら午後3時(爆笑)。今晩もこのへんになりそうだけど...ここ数日、あんまり動いてないよな(炸裂)。とりあえず富良野方面に向けて出発する。

全日本モトクロス選手権・北海道ラウンド
国際A級125cc第2ヒートのスタートシーン
緑の山に排気音がこだまする。

 国道40から国道39に入り、再び道道37で旭川空港脇を抜け、国道237へ。“同じ道をトレースしないように”っていうのをこの旅に出る時に考えたのだが、ほとんど同じ位置でうろうろしてるんじゃしょうがない(爆笑)。美瑛を抜け、“Mr.GNU”への道の目印にあたる“かんのファーム”を過ぎたあとに、視界の隅を横切った風景がすごく気になった。

 引き返して、その場所へ。そこはいわゆる“観光農園”の類ではない。道を入ってすぐの所にバイクを止め、歩いて降りていく。

 降りていった先の道の両側は、今にも花開かんとするラベンダーで埋め尽くされていた。思わずその歩が止まる。

 見惚れていると、奥に所有者らしき作業をしている人が見えた。ここは観光施設ではなく、自分は侵入者である。ならば、侵入したことへの了承を得ねばならない。

美瑛から上富良野へ抜ける深山峠手前のラベンダー畑
花開く寸前のラベンダーが大地を埋め尽くしていた

 まわりの景色を見ながら降りていく。奥の人も自分の姿に気づいたようで、作業をしながら時折こちらを見ているのがわかる。声が届きそうなところまで来たときに、自分を見た。

「すいませ〜ん、お邪魔していま〜す。見せて下さ〜い。」

 向こうの人がうなずくのが見えた。とりあえずは安心である。作業の邪魔にならないように、ラベンダー畑を見て回る。薄紫色の花の上を白い雲か流れていく。

 大切な畑を見せてくれた主に感謝の言葉を伝え、この場所を辞する。

 ひたすらまっすぐな道道298を走り、日の出公園のラベンダーも見た後、富良野へ。

 そろそろ夕方。この日は6年前にお世話になった国道沿いの富良野のライダーハウスを訪れようと思っていた。が、富良野市内の国道沿いを走りまわっても見あたらない。というか、憶えている景色に出会わないのだ。どうやら区画整理が行われた模様で、たしかこのへん...と思っていた場所は様変わりしていた。

道道298沿いから十勝岳方面を見る
遮るもののない広い空と緑が美しい

 さんざん走りまわったが見つからない。と富良野駅の表示板に手がかりがないか見に行くが、こちらも見つからず。ただ、6年前のライダーハウス宿泊時に食事をとったと思われる定食屋があったことで富良野に止まった記憶は間違いない。富良野駅構内には旅客車を開放したツーリングトレインがあるが、先乗り組はいない雰囲気でいまいち気乗りがしない。

 富良野市内をまわっていると路肩に荷物満載のRF400Rのにーちゃんが泊まっていた。話をしてみると彼もこの日の宿を決めかねているらしいが、どうやらテントもシュラフも積んでいないらしい(苦笑)。道中の宿をどうしているのか聞いてみたら、健康ランドの類を宿代わりにしているとのと。へぇ、宿の取り方も変わってきてるんだなぁ、と妙に納得(笑)。

 RFのにーちゃんと分かれて、さてどうするか。明日行こうと思っている麓郷の方にライダーハウスもあるようだが...ととりあえず走っていると、そういや鳥沼キャンプ場も近いなと思って急遽、路線変更。

この日止まった鳥沼キャンプ場
自分がテントを張った場所は入ってすぐの道路側
奥になると長期連泊者がいるらしい(笑)

 天気も良さそうだし、んじゃ今日はテント張るべなとキャンプ決定。あたりはもう薄暗い。とりあえずテントを設営して買い出しへ。ちょっと離れたところにコンビニがあったので、明日の朝メシなども調達して戻った頃にはもうあたりは真っ暗(笑)。頭上でまたたく満天の星を見上げ、目の前の道を往来するクルマのロードノイズが聞こえる位置にテントを設営したことをちょっと後悔しながら(苦笑)、眠りに落ちた。

#5日目終了km:23,653km(2日間TOTAL:387km)


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