南の国の男、北へ '94晩夏 
〜 アフリカツインで駆け回った北海道ツーリング日記 〜

・Day_2

 '94/08/26

 目が覚めた頃にはすっかり夜が明けていた。簡単な朝食を済ませ、テントをたたむ。眼下には真狩村の風景。今日は天気がよさそうだ。そうこうしてる間に、バイク乗り達は次々と出発してゆく。みんながみんな、「じゃあ、また」なんていいながら...。

 自分もバイクに荷物を積み、さて出発。キャンプ場を出たところで、サイトの脇に財布をおきっぱなしにしていることに気がついた(大爆笑)。おぉ、アブネ。財布を回収して、再出発。

 ニセコの道沿いにはたくさんのライダーハウス。「これがライダーハウスっていうんかぁ」なんて思いながら、ワインディングを気持ちよく走る。積丹半島に行こうかとも思ったけど、今回はパスして(次回はいつだ?(笑))小樽へ。ウワサの運河でも見てみるか。

 一路、小樽を目指す。小樽の町に近づくに連れ、道がこみはじめる。まぁ、のんびりいくべぇな。で、給油。そーいや、昨日以来入れてねーなー。おそるべし、走るジェリ缶(笑)。

 小樽。案内板と地図を頼りに運河に到着。ふとまわりを見渡す...。うーん、ういてるなぁ(爆笑)。まわりの観光客のさわやかなカッコに対し、こちらは泥だらけの暑苦しいカッコ(苦笑)。

「出よ」

 思いつくまでに、そう時間がかからなかった。どうも観光地は性にあわんなぁ(笑)。

「札幌も、たぶん同じかな...」という理由で札幌もパスして(爆笑)、夕張市へ...。夕張市郊外のコンビニ、セイコマートで昼メシ。駐車場でパクついていると、目の前を荷物満載のバイク達が通り過ぎていく。

「楽しんでるかい?」

 ピースサインを送る。送られた方のライダーは、それぞれ、思い思いのピースサインを返してくる。北海道に来たんだなぁ...という思いがひしひしと感じられ、また伝わってくる。

 登川のあたりで、清風山へと向かう道へそれる。小さな集落を抜けたら、期待通りの林道。序盤戦で「ひょえ〜」級の荒れたトコロもあったけど、そこを過ぎれば快適な道。うっそうとした森を中を、地図とにらめっこしながら進む。途中、休んでいると後ろから地元のにーちゃんが乗る AX-1 がやってきた。しばし談笑。走り出してもなんとなく同じペース。先を走っていても、こっちが地図を見てる間に追いつかれる(笑)。

 そんなことをやってる間に、何やらあやしいところにやってきた。どうやら道を間違えてしまったらしい(爆笑)。そろそろ下らねばならない頃なのに、どんどん登っていく。挙げ句の果ては道が荒れはじめ、「ぐぇえ〜」級の道へ変わった。引き返そうにも、道は細いし、アフリカツインはクソでかいわで多難を極める(笑)。なんとか方向を変え、もとの道へ復帰。正しい道を見つけはしたたものの、なんとそこは...橋のない小川であった(爆笑)。さらに小川を超えれば、20cmほどの段差があり、トドメはそこから深くワダチのえぐれたマッドの登りという「どっしぇえぇぇ」級のセクションであった(大爆笑)。

 一緒にいた AX-1 のにーちゃんはもちろん、自分も目の前の風景にたじろぎ、おののく(苦笑)。撤退は大きなタイムロスである。なんとかならんもんか、とバイクを降りてルートを探す。小川の段差は落ちている流木をおけばなんとかなりそうだ。段差の後もちょっと確認して、さぁトライだ(このちょっとの後がさらに問題であった(爆笑))。

 微速ながら、スピードを落とさないように小川を渡り、ウィリーなんてできないし、できるわけもないから、フロントを流木に「どか〜ん」とブチ当て(笑)、段差を越える。少し、先で止まって AX-1 氏をサポートする。AX-1 のにーちゃんもなんとか越えられた。さて、マッドの登り。こりゃ、トライアルセクションだな(苦笑)。思わず見てしまったワダチにハマる。二輪二足で進む横を、AX-1のにーちゃんが先へ行く。しばらく見ていると、登りきったところで、AX-1 のにーちゃんが立ち往生している。駆けつけるとそこには、杭に鎖が渡してあって、それにひっかかっていた。一度下がって、杭の脇を抜ける。自分もなんとか登りきり、普通の道に戻れた(笑)。

 その場所には看板があり、それには「通行禁止」の文字が...(爆笑)。おい、出口に書くのはやめろよぉ、とにーちゃんと笑う。そりゃ、そうだ。あじからめ知らせてあったら、好き好んでこんなトコ、アフリカツインと AX-1 で走らんわ。

 にーちゃん曰く、「こんなトコ走ったの初めてだ。」 ...。ゴメンね、自分に会ったばっかりに...(大爆笑)。ドロドロになった二人は、一路、山を下る。林道の出口で、にーちゃんとはお別れ。いやぁ、ひどいところに案内しちまいましたねぇ...。

 そろそろ、日も傾いてきた。寝場所を確保しないと...。とりあえず、明日の天気予報っと...。「ピンポンパンポーン 現在、大雨洪水注意報が発令...」 ちょと待て(笑)。大雨と洪水だけは勘弁してくれ(爆笑)。

 というわけで、屋根のあるところに泊まろうと決める。ウワサのライダーハウスでも探してみるか...。

 占冠村から R237 を北上する。道沿いには、それらしき姿はない。日も落ち、あたりを夕闇が支配しはじめる。「やっぱり、野宿か?」 でも、やっぱり天気予報を確認してしまう(笑)。おい、“警報”になっとるぞ(爆笑)。

 さらに北上を続け、富良野まで来てしまった。市内に入ってすぐの、信号待ちで止まった交差点。その横にあるバイク屋はライダーハウスもやっているらしかった。そろそろ閉店の準備をしているバイク屋に飛び込み、宿泊の旨を告げると、快く了解してくれた。これで夜も安心だ(笑)。

 荷物を降ろして、バイクで近所の銭湯へ...。あれ? アフリカツイン? いつバイクから降りたっけ?(笑) おぉ、他人のじゃねーか(爆笑)。滅多にみない、自分と同じ型のアフリカツイン。それが旅先でふらりと立ち寄った銭湯で、出会うとは...。銭湯でそのにーちゃんと話をする。そしたら、ウェアも同じことに気がついた。マイナーなウェアなんだけど、バイクもウェアも同じとはねぇ...(苦笑)。

 ハウスに戻って、オーナーや同宿のみんなと談笑。出されたすいかを食ったり、情報交換をしたりして夜をすごす。

 雨はまだ降っていない。ホントに降るんか?

                       (本日の走行距離、336km)

 

つづく

 


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