... モデル別ヨタ?話


ホンダドリームスーパースポーツCB72/77

5,6年前の浅間ミーティングにおいてコンクール・デ・レガンスに参加していたCB72初期型
最近は浅間でもなかなか見られなくなりました
レーサー仕様もいいですけど、ノーマルの雰囲気もやっぱりいいですねぇ...(笑)


■CB72/CB77 開発の背景 ...

 C71系の頃から海外輸出が始まり、ヨーロッパではそこそこの評価を受けていたホンダだったが、アメリカにおいては最大排気量でありフラッグシップであるC76系の売れ行きが芳しいものではなかったという。

 というのも、この頃にはすでにアメリカにおけるオートバイのカタチは『パイプフレーム+テレスコピックフォーク』が主流であり(日本やヨーロッパで評価の高いアールズフォーク型のBMW-Rシリーズもアメリカでは販売が伸びずなかったため、テレスコピックフォークに...という経緯があるという)、『プレスフレーム+ボトムリンク』であったホンダは流行遅れのカタチであった。

 アメリカホンダよりパイプフレーム採用のスポーツ車開発要請を受け、C72のエンジンをベースに高出力化を達成した物をダイヤモンド型パイプフレームに搭載、ホンダ初となるアメリカでの現地適合テストを経て、高回転域で振動の少ない180度クランクを持つタイプ1と低中速域の扱いやすさにすぐれる360度クランクを持つタイプ2という2種類の“ナナニイ”が生まれることとなった。

 また、この時代のオートバイでCB72と人気を分け合った物といえばヤマハYDS-1の名が挙げられるが、CB72デザイン時においてはキャンディーカラーと曲面を使ったデザインのヤマハに対して、「ヤマハがカラフルに来るんなら、シルバーと黒を基調にメッキの金属感をあわせてスリムと端麗さで決めてやろう(河村雅夫氏・CB72デザイン担当/“開発者が語る20世紀 日本の名車”(内外出版社刊)より)」と考えたという。

 これ以外の様々なプロセスを経て、1960年10月の東京・晴海で行われた第7回全日本自動車ショーで公開されたCB72は同年11月より18万7,000円(CB72/当時)で発売される。この後、月毎とも季節毎ともいわれる仕様変更を受けながら、また様々な派生モデルを生み出しながら、後継機種となるCB250/350が発売される1968年(CB72/77の最終モデル発表は1967年)まで、長い間に渡って生産が続けられていったのである。


■“CB”という名の由来 ...

 これをやるとCB71で書くことがなくなる可能性もあるんですが(笑)、まぁ、その時はここが“さくっ”と消える可能性があります〜、とあじからめお知らせしておきます(爆笑)。

#以下より、また文末の調子が突然変わります(笑)

 かねてより“CB=クラブマン(CluBman)”の略だ、とよく言われてきたが、最近はそうではないらしい、ともいわれている。“C”はオートバイを示す「サイクル(=cycle)」の“C”であり、アメリカ輸出仕様に振られた名称“CA(=America)”の次にあたるから単純にアルファベットの2番目の文字のBが与えられて“CB”といわれたり、CもしくはCAよりよいということで“Better”もしくは“Best”の頭文字をとって“CB”になったともいわれている。ホントのところは、一番最初に“CB”の名が与えられるはずだったCB71(CB71のお蔵入りで“CB90/92”が最初の“CB”モデルとなる)開発者チームに聞いてみないと、どれが正しいのかわからないかもしれない(当時の雑誌にあっさり書いてあったりして(爆死))。じゃあ“CL”とか“CM”はどうなんだ、と言われるとこっちも?だが、まぁ、いずれにせよ現代まで続くホンダスポーツ(と書くと違うの連想しそう)車を代表する名前なので、小ネタ程度に押さえておくといいかも(← いい加減〜)。


■三面図のナゾ ...

 最近、マニュアルの三面図を眺めていてふと気づいたのだが(手元にCB72/77のサービスマニュアルがある場合はp.11〜12の外観三面図のところを見て下さい)、自分のこれまでのナナニイ小話ネタであまり聞いたことがないので、知らないからあわよくば教えてもらおうという魂胆で書いてみる(笑)。

 CB72/77のマニュアルの写真や数値は主に初期型の物であるといわれており、CB72/77の初期型はフロントブレーキがシングルリーディングドラムであることが有名だが('61年7月の変更時にツーリーディングとなる模様)、このマニュアルの三面図におけるCB72だけ、なんかフロントブレーキがツーリーディングくさい(しかもその図のフロントブレーキワイアのとりまわしかたもその後の型とは全く異なる)のである(CB77の三面図はちゃんとシングルリーディングである)。この“くさい(笑)”CB72のリヤブレーキワイアは雑誌などで見たことがあるその後の型とは違うとりまわし方なので、その図はやはりCB72の初期型と思われるが、じゃあ、いったいそのフロントブレーキの図はなんやねん、ということである(笑)。勇気を出してマニュアルからひろってみました↓(問題がある場合はご指摘下さい)

← 三面図のCB77

 お馴染み?のシルエット。赤い矢印()のとこもちゃんとシングルリーディングになってます。

 そういえばシングルリーディング車の“ナナナナ”ってほとんど見たことないような...(汗)

 その一方でリヤのワイアの取り回しはお馴染みの形。

     三面図のCB72 →

 赤い矢印()の部分は馴染みのないブレーキパネル部分。ブレーキカムも取り回し?も違えばワイアのも異なります。

 どっちかというとCR71あたりのブレーキパネルな雰囲気。

 リヤワイアの取り回しもショーモデルの車両の写真と以前のBS誌に掲載された車両しか写真は見たことありません(汗)。

 初期型CB72におけるフロントブレーキのシングルリーディングだった理由は、未舗装路面が多かった道路事情と、それにより当時はリヤブレーキがメインの使い方だったためフロントが利きすぎると危険だからといわれるが(なんかの雑誌でレースのコーナリング時にスピードをコントロールするためのシングルリーディング化、と読んだことがあるがそれは多分違うと思う(苦笑))、もしかしたらCB72のホントのプロトタイプ(それが例え机上の設計時だけや、荒川や浅間のテストコースだけで終わっていたとしても)のフロントブレーキはやっぱりレース参戦を見据えて、より強力なツーリーディングだったのかもしれない。

 このへんの詳細をご存じの方がいらっしゃいましたら教えて下さい(そんなん常識じゃ、アホ〜というお叱りも歓迎致します(苦笑))。


■ドイツのチラシ ...

 ↑でそんなことを書いてたら、ジョンソンさんより西ドイツ(当時)のディーラーのチラシ(のコピー)を送っていただきました(感謝)。試作段階のモデルと思われ、ブレーキまわりは三面図のCB72に共通するところもあるのですが、外装などはかなり異なるところもあり、非常に興味深いモノとなってます。

 ワタシだけ“これでゴハン三杯はイケる”状態(笑)なのは非常に申し訳ない&もったいないので、アップさせていただきます。カラーコピーをスキャンしたものですので、少々見辛いかとは思いますが御容赦を〜(問題がある場合はご指摘下さい)。

 提供、ありがとうございました > ジョンソンさん

西ドイツ(当時)のディーラーがまいたと思われるチラシ
シルエットは確かに CB なんですが、至る所に“???”なところが見受けられます
見辛いんですがフロントブレーキ(
)部分は三面図上のものと似てますね〜

フロントブレーキワイアの取り回しも三面図のモノとそっくり
その他、タンク、サイドカバー&エアクリーナー、キー位置なども違いますね〜
このチラシの写真、もう少しキレイに切り出せばよかったのに...(笑)


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